派遣から正社員への転換というものは、目指そうと思って目指せるものではありません。そもそも企業が派遣を雇っているのは、人件費を削減するためということと、正社員を雇わずとも済む業務であるから、ということが理由になっています。派遣業界が潤っているのもそれが理由であるため、そこから正社員として雇ってもらう、ということはほぼ不可能といってもいいでしょう。
その代わりに実現しやすいのが、スキルアップです。働きながらスキルを身に着ければ、企業からすれば非常に重要な人材ということになります。そうした人はすぐさま今の仕事をやめて、関連する同じ業界の会社に行くことができますし、そちらでは正規で雇ってもらうことができます。非正規というポジションから直接正規まで駆け上がるのは難しいですが、別の会社であれば非正規の人という扱いではなく、スキルを持った人材として評価されます。そのため正規雇用という形で新たに雇用してもらえるようになるのです。そのためには非正規として数年間頑張ってスキルを磨くということをやらなければなりませんが、スキルさえ身に着ければ転職は可能という未来が見えていれば、努力するのも苦にはならないでしょう。それに転職を目指して行動するというのは非常に前向きな気持ちを喚起してくれます。本来ならば低賃金での雇用となるとやる気がそがれますが、逆にやる気がアップするので仕事も順調に進み、非正規という立場でも比較的充実した仕事ができるようになる効果もあります。